SSブログ

水戸室内管弦楽団 東京公演 [music]

22日にサントリーホールで行われた水戸室内管弦楽団の東京公演に行ってきました。
水戸室内管弦楽団は、毎年松本で行われる音楽祭 サイトウキネンフェスティバル松本のために集まるサイトウキネンオーケストラのメンバーをメインに構成された室内楽団。
過去 3回ほど水戸と東京で聴いたことがあるのですが、本当に久しぶりにチケットを取ってみました。
ワタクシ、吹奏楽に青春を捧げたわりにクラシックにはあまり興味がなく、普段からほとんど聞かないのですが、今回はたまたま情報をキャッチできて、指揮も小澤征爾氏ということだったので、久々のクラシックコンサートをとても楽しみにしておりました。
ところが、東京公演の前に水戸で行われた定期演奏会の初日の後、小澤征爾さんの疲労がひどく、2日目は指揮者なしで行われたというニュースが伝わってきました。手術後、体調はまだまだ万全ではないのに無理をされているのでしょうね。指揮って汗びっしょりになる重労働ですもんね。
小澤征爾さんの指揮で聴きたいのはやまやまですが、どうか無理をなさいませんようにと思いつつ、何度もWebサイトの情報をチェックしていたら、出かける直前になって、3曲中の1曲のみは振ってくださるとの情報がアップされて、やはりちょっと喜んでしまいました。
そして、何度もチェックした最初のときに「本公演に天皇皇后両陛下の御臨席を賜ることになりました」という記載を見つけて、密かにそれも楽しみにしておりました。(〃∀〃)

...とまた前置きが長くなりましたが、指揮が 1曲のみになったため、2曲目と 3曲目の曲順が当初の予定とは入れ代わって、プログラムは以下のとおりでした。

1. モーツァルト
    ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (125a) (指揮者なし)
      I.   Allegro
      II.  Andante
      III. Presto

2. モーツァルト
    交響曲 第35番 ニ長調 K.385 <ハフナー> (指揮者なし)
      I.   Allegro con spirito
      II.  Andante
      III. Menuetto
      IV. Presto

(休憩)

3. ハイドン
    チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb-1 (小澤征爾指揮)
    I.   Moderato
    II.  Adagio
    III. Allegro Molto
    チェロ独奏:宮田 大

クラシックに精通していない私はディベルティメントの出だし以外、生まれて初めて聴く未知の世界...。でも、それでも楽しめるのですよ。いいものはいいものなのです。(・∀・)b
まず 1曲目。
ディヴェルティメントの美しいこと、美しいこと。
指揮者なしでもあんなに揃うんだな、一流の皆さんが集まると。
弦の美しさに癒やされる気満々で臨んでいましたが、本当に涙が滲んでくる美しさでした。
まるでよく裏ごしされたなめらかプリンのように(?!)、ひっかかりポイントがどこにもないのですよ。全てが美しく、滑らかで、乱れがなく。
2曲目の交響曲はテンポも強弱もかなり幅のある曲でしたが、こちらも指揮者なしでも乱れず。第4楽章は皆さんかなり体も揺らしての熱演だったのに、あの統一感。すごいなぁ。きっと指揮者がいてくれるに越したことはないのでしょうが。一流ってホントにすごいなぁ。
弦楽器なんて一度も触ったことがないのに、あの中に交じって自分も演奏してみたい!! という衝動がふいに湧き上がってきてしまいましたよ。人間って図々しいね。...あ、図々しいのは人間じゃなくて、私か。
美しい音色に全身で浸っている間にあっという間に前半終了...。
休憩時間中に「もう一度、最初から演奏してくれていいんですけど...」なんて言いながら迎えた後半はチェロ協奏曲。
水戸室内と小澤征爾さんがお目当てだったので、ソリストの宮田 大さんはノーチェックだったのですが、プロフィールを見ると 1986年生まれ。若っっ。まだ 25歳です。まだ 25歳で小澤征爾さんに呼ばれる(?)なんてただ者じゃないはず...とプロフィールの先に目をやると、「9歳から出場するすべてのコンクールに第1位入賞を果たし」なんて書いてある! щ(゜ロ゜щ) そして「2009年、チェロ部門コンクールの最高峰 ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初の優勝」と! 16歳から小澤征爾指揮で協奏曲を演奏とかも書いてある。相当な強者だなこりゃ。心して聴かねば。
...と彼の演奏が始まった途端に稲妻が走りました。胸を射抜かれました。いや~、あれもチェロなのですね。オドロキました。
うすらぼんやりと覚えている過去の記憶の中で、おそらく高名なチェリストの演奏をおふたりほど聴いた経験があると思うのですが、全く別物のようでした。若々しくて繊細で叙情的で。チェロってもっと重厚な楽器だと思っていたのだけれど、あんなに軽やかにもなり得るのですねぇ。小澤征爾氏の指揮も、水戸室内の弦も聴きたいのに、とにかくチェロに目も耳も釘付けでした。あんなにソリストを凝視しながら聴いたことが過去にあっただろうか。本当に衝撃を受けました。こんなに素晴らしい演奏家をこれまで知らずにいたなんてなんともったいない...と思うけど、何も知らなかったからこその感動でもあったのかな、と思います。
小澤征爾さんは指揮を振っている間はいつもと変わらず、力いっぱいの指揮をなさっていました。チェロとの共演部分ではどこまでお顔を近づけちゃうの??という接近ぶりで。エンディングに向けての盛り上がりも素晴らしかったなぁ...。楽章の間にゆっくり座るための椅子と指揮中に腰掛けられるスツールと 2つ用意されていましたが、スツールのほうはチェロのソロパート以外ではほとんど使うことなく立って指揮をされていましたが、楽章の間では同一人物とは思えないほどにぐったりと椅子にもたれて座っていらっしゃいました。泣いちゃいそうでした...。そうまでして振っていただいたあの曲、一生忘れません。
小澤さんの指揮、宮田さんのチェロ、水戸室内の演奏、全てが素晴らしくて素晴らしくて、3曲目から入場されていた天皇皇后両陛下が終演後すぐにお立ちになって拍手を送り始められたのが合図になったかのように、長く長く続く会場全体のスタンディングオベーションとなりました。
多分、あんなに長く、あんなに強く拍手を送ったことは過去になかっただろうな。何故もっと大きな音が出ない?? って叩きながら思いましたもん。
これ以上ない幸せな時を過ごせました。
神様、どうもありがとうございました。

宮田大さんのファーストアルバム、直筆サインをいただけるってことだったので、迷わず購入してまいりました♪
またすぐ聴きに行きたいぞ!
20120124.jpg


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。